これから中学受験に挑む・または挑もうか迷っているお母さんの不安や疑問を解消できる情報提供を目的とし、中学受験をサポート(かつ志望校合格)した経験のあるお母さんの体験談を集めました。

 

第一回のお母さんはN.Nさんです。娘さんのYさんは中学受験成功後、獣医師になる夢も叶えています。最近は、褒めて伸ばす教育について語られることが多いですが、子供の夢を叶えるために厳しい態度で導いた場合の成功例も確実に存在するんだなと思いました。

 

基本情報

【Yさんのプロフィール】
  • 1980年代(後半)生まれ
  • 南山中学校女子部※を受験し合格。
    ※2018年度の偏差値69(シリタス基準)
  • 同高等学校進学後、岐阜大学応用生物科学部獣医学課程を卒業し、現在は獣医師として活躍。
【中学受験当時の家庭環境など】
  • 母親の勤務状況:フルタイム
  • 世帯年収:1000万以上
  • 母親の最終学歴:偏差値60以上65未満の大学/大学院
  • 父親の最終学歴:偏差値55以上60未満の大学/大学院

子供の性格

 

受験の向き不向きや、お母さんのフォロー方法に影響したお子さんの個性・性格について教えてください。

赤ちゃんの時から全体的な発達が早く、保育園に通っていても、学習能力はそれなりにあるなと感じていたので学力強化に力を入れました。友人のお子さんは音楽に目覚め留学までされた方もおりましたので、やはり、その子その子の持っている個性、能力を活かしてやることが大切なのではないでしょうか。

小学生の時は、通常は親のいうことを素直にきいてくれる子どもだと思います。ただ、少し頑固なところもあります。友達も多い子で、誰とでも仲良くできる明るい性格です。興味のあることには自ら調べるということはしますが、半面、興味のないことにはなかなか関心を示すことがなく、根気にかけるところもあります。

とりあえず、親の言うことには従ってくれたので、親の意向が強かった中学受験に拒否的態度を示すことはありませんでした。少なくとも表向きは。

もしも子供がこんなタイプだったら中学受験はさせなかったと思う性格や個性について教えてください。

一番は、子どもの能力が中学受験をするスタートラインにも立てないような状態だったら、受験をさせなかったと思います。とりあえず、そのときの学習の状況から、ある程度受験をしても合格するのではないか、という見込みがあったからさせました。性格や個性について、こういうタイプというのはよくわかりません。親の言うことに従わない子どもだったら、中学受験は難しかったかもしれません。

中学受験をした理由

 

中学受験は親の意向ですか、お子さんの希望ですか?中学受験をした理由を教えてください。

受験を決めたのは親の意向です。在住している地区の公立中学は管理教育で有名なところだったので絶対に行かせたくないという親の思いがありました。成長発達に重要な時期をのびのびと過ごさせたい、ということが受験をさせようと考えた一番の動機です。

ついで、将来を考えたとき、いろいろな選択肢が広がるところに進学させたいと考えました。この段階ですでに獣医師になるという夢を子どもがもっていましたので、それにつながるように、という考えもありました。さらに、この中学に入学すれば、大学もあることから、悪くともその大学には進学できるだろう、という考えもありました。だからといって、子どもには、受験をしたくない、という考えはなかったかと思います

志望校はどのように決めましたか?途中で変更しましたか?した場合はその理由も教えてください。

私の意向で最初から決めており、変更はしていません。中学の校風、進学実績、偏差値、通学距離などを総合して決めました。

学習方法

 

公文や通信教育、ドリルなどは何歳から何をやりましたか?幼少期からの学習習慣について教えてください。

祖父母が結構教育熱心で、私の仕事の都合で保育園年長のとき1年間預けたのですが、そのときに、九九をはじめとしたいろいろなことを教えてもらっていたように思います。

その後は小学校に入った時から、公文式を始めました。国語、算数、英語です。公文式は小学校3年生まで続けました。小学校3年生から英語はECCに変り、小学校4年生でやめました。通信教育は、しまじろうの教材が家にあったことを記憶していますが、積極的にさせた覚えはありません。

 

塾に通わせましたか?塾名、通い始めた時期を教えてください

中学受験塾には小学校4年生から通わせました。地元には中学受験のための進学塾はなかったので、週末に都市部の河合塾に通わせました。

 

最近はリビング学習を推奨する意見をよく聞きますが、お子さんはどこで勉強していましたか?

リビング、自室のいずれかです。

 

受験勉強を始めてから学力はどの程度上がりましたか?偏差値の変化を教えてください。

あまり変わらないように思います。途中で波があり、偏差値が下がり、塾のクラスが下がったこともありますが、そのあとはもとに戻りました。

お母さんのサポート方法

 

お母さんはどのように中学受験をサポートしましたか?

  • 塾への送迎
  • 塾の先生への相談
  • 学校の先生への調整
  • 子供の精神面のフォロー
  • 問題の解き方の指導
  • 学習計画・進捗管理

私自身が中学受験経験者でしたので、中学入試問題の独特の解き方については少し知識がありました。そのため、学習面もサポートしました。住んでいるところからの塾までの距離の問題と私がフルタイムで働いていたという事情から、週末1日しか塾に行くことができませんでした。そのため、どうしても親の学習サポートが必要でした。当時、地元には中学受験専門の塾はありませんでしたので。

塾では、教師ではなく、チューターと呼ばれる人と最終的に面談をしたり、学校の先生には調査書の依頼をしたり、ということをしましたが、それ以外はほとんどお世話になっていないように記憶しています。そのため、ほとんどのことをサポートしてやったと思っています。

 

お母さんが行ったサポートの工夫で効果的だったと思うものを教えてください。

やはり学習面でのサポートでしょうか。中学受験問題の独特の解き方を、参考書などをみたら思い出せましたので、それをもとに、自宅で塾の宿題のサポートをしてやった、ということでしょうか。マンツーマンですので、わからないところを、徹底して説明してやることができました。

 

受験時のお子さんへの接し方を教えてください。基本のスタンス、優しさと厳しさの使い分けなど。

私がとにかく厳しい、父親がそれをフォローというスタイルです。基本的に受験以外のことについてもそのスタイルですので、それを踏襲していました。成績が伸びたときにはほめることをしましたが、いわゆるほめて伸ばす教育ではありません。スパルタ教育だった思います。自主性を重んじる、ということもしていません。時間がなくて、ほったらかし、というのはあっても、です。自主性を重んじていたら、中学受験などできません。子どもはやはり遊びたいわけですから。

あとはひたすら、「うちはうち、よそと比べない」ということは言っていました。

もっとこうすれば良かったと思う反省点やもう一度受験するなら試してみたい事を教えてください

特にはありません。うちの子にはこの方法でよかったとは思っています。反省するとしたら、毎週返ってくる試験結果について、ほめることが少なく、順位が悪くなっていたら、かなり怒っていましたので、それがいやだった、と子どもが言いますから、もう少し怒る回数を少なくするべきだったかもしれません。

中学受験のメリット・デメリット

実際に中学に通ってみて、中学受験をして良かったと思うポイントを教えてください。また、かける労力・時間・お金に対し、得られた経験は見合うものと感じているか率直な意見を聞かせてください。

進学した中学には感謝しかありません。期待通りの教育をしてくれたと思っています。ただ、入ってみて、周囲のお子さんが、いわば、ごく普通の家庭のお子さんが少なくて、開業医や医師のお嬢さん、会社経営者などのお嬢さんが多くて、場違いだったかな、と思いましたが。完全なる中高一貫でしたので、高校1年生までは本当にのびのびとしたなかで成長してくれました。しっかりとした教育もしてくれ、本当に感謝しています。

中学受験のデメリットを教えてください。

小学校の後半が受験に追われる形になるので、小学生のうちにしか体験できないことが十分体験できない、ということが一番のデメリットと考えます。この時期に文学に触れさせておきたかったと感じています。私自身、本が好きになったのはこの時期だったからです。子どもは今でも国語が苦手で、国語で結構大学受験も苦労したので、国語力は大切と思っています。

中学受験を成功させる上で大切なこと(まとめ)

 

中学受験を成功させる上で大切なことは何ですか?これから中学受験に挑むお母さんにアドバイスをお願いします。

うちの子どもは保育園育ちで、保育園育ちでは中学受験で、特に子どもの進学した中学への進学は困難と言われていた中、合格することができました。ですから、そういった前提条件にとらわれることなく、その子の可能性があれば、チャレンジをすればよいと思います。合格して、進学した中学での教育がよかったからかもしれませんが、中学受験は乗り越えると、きっと開ける未来がありますから、頑張っていただきたいと思います。

中学受験は親の受験ともいえます。ですから、親が頑張らないといけない部分が多いです。その子どもの状況、適切な塾が通学可能な範囲にあるか、などいろいろと検討しないといけないことがありますが、その状況の中で一番いい方法を考えてやることが大切なのではないでしょうか。

 

ありがとうございました!

おすすめの記事